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影響受けているでしょ?

2012/05/09 (水) 21:37

ワーグナーは、いろいろな作曲家を無視したり、批判したりする、いわゆる”いやな奴”だったわけですね。

 

ワーグナーが批判したひとりに、メンデルスゾーンがいます。

 

でも、実は、ワーグナーは、相当メンデルスゾーンから影響を受けているのではないかという疑惑があります。

 

そもそも、メンデルスゾーンは、若くして巨匠として、音楽界の重鎮として君臨していた存在。

その当時、ワーグナーは、まだ、全然有名でないチンピラ作曲家で、メンデルスゾーンの輝かしい成功を羨望の眼差しで見ていたことは確かですね。

 

ワーグナーは、まともな音楽教育を受けているわけではなく、実績もなく、挫折感と劣等感の塊のような青年時代だったと想像します。

 

そんな、ワーグナーが交響曲ハ長調をメンデルスゾーンに送っているんですね。

メンデルスゾーンが認めてくれれば自分も世に出る機会があるだろうということでしょう。

しかし、メンデルスゾーンは、これを無視したらしい。

というか、そういう営業をかけてくる若手作曲家は山ほどいただろうし、メンデルスゾーンは多忙を極めていたので(今でいうと、ベルリンフィルの音楽監督のようなものか)、反応している余裕がなかったのでしょう。

 

そういうことを、ワーグナーは恨んだりしたのだと思うのですが、まあ、客観的に見ればしょうがないでしょう。

サイモン・ラトルに、作品を送りつけても、スルーされるのが関の山。

 

ところで、ワーグナーは、「フィンガルの洞窟」を褒めているのですね。

「第一級の風景画家」といういい方をしているようです。

フィンガルの洞窟の風景を音によって、完璧に描いている、その手腕はまさに神業そのもの。

 

メンデルスゾーンの音楽というのは、一般的にコテコテのロマン派音楽に比べると、非常に端正で、あっさりしている印象がありますが、実は、非常に幻想やイメージが豊かな音楽です。

 

ワーグナーは、メンデルスゾーンの曲の音響をいろいろと覚えていたんじゃないかな。

 

例えば、有名な話ですが、

メンデルスゾーンの交響曲第5番「宗教改革」の冒頭に出てくる、「ドレスデン・アーメン」の旋律は、ワーグナーのパルジファルでも、聖杯の動機ということで、頻繁に使われています。

 

あと、序曲「静かな海と楽しい航海」なんですが、この曲の冒頭に出てくる波の音をあらわす音型は、ワーグナーの「指輪」のライン川の動機などと、とても似ていますね。

 

また、「フィンガルの洞窟」の中に、F#-G-F#-G-F#-G-F#-Gという「ワルキューレ」のサウンドと似ている箇所があるなど。

 

このように、メンデルスゾーンの曲を聴いていると、たまに、「あれ?ワルキューレ?」などと、ワーグナーの曲を彷彿とさせる瞬間が、結構あるんですね。

 

影響を受けているがゆえに、否定したくなるっていう心理、ありますよね。

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